このゲームは、別に15人マルチプレイがサポートされているわけじゃありません。ただ、いくつかのゲームが、やろうと思ったら15人で遊べそうだったので、やってみただけです。
僕が主宰している代々木ゲームルームという、ゲームサロンがあります。毎週金曜日の19:00からワイプ代々木北口駅前店というネットカフェの遊技スペースを借りて開催していて、みんなでゲームを持ち寄って遊べる場所になっています。
誰でもフラッと参加できて、どんなゲームでも持ち込みOK、マリオカート7の8人対戦をしてみるとか、初代Xboxの鉄騎を持ってきた人がいるとか、最近ちょっと話題の人狼を遊んだりとか、携帯ゲーム機、据え置きゲーム機、ボードゲームにPCゲーと、ほんとになんでもありでとにかくみんなで楽しく遊んでいます。
その代々木ゲームルームに、先週、Wii Uのゲーム&ワリオを持ってきた人がいました。最初は僕は別のゲームをしてたんですけど、始めたらすぐに盛り上がってるわけですよ。やりたくなるじゃないですか。参加して、最大5人で対戦したらものすごく面白かったんですが、その時気がついたんです。これ、もっと大人数でできるよねって。
絵を描いて当てるだけのゲーム
ゲーム&ワリオを持ってきたのは僕じゃなくて、参加者の方の1人ですし、その時やったゲームは限られているので、ゲーム全体の詳しい説明は省きます。基本は、Wii U GamePadというタッチパネル付きの新しいコントローラーを駆使したゲームがワイワイと楽しく遊べるソフトですね。1人用もありますが、今回はマルチプレイの話。
特に盛り上がったのは「スケッチ」というゲームでした。カンタンに言うと、お絵描きをして、お題を当てるという、ただそれだけのゲームです。
ゲームの流れを説明すると、まず、5人まで対戦することができて、そのうち1人がWii U GamePadを持ちます。残りの人は何も持ちません、Wiiリモコンも持たない。手ぶらです。Wii U GamePadだけにお題が表示されます。「牛丼」とか「カブトムシ」とか。で、それをタッチペンで書くと、その書いていく線がテレビの方に表示されるので、なんの絵か分かった人は答えます。
答えるといっても、手にはWiiリモコンとか持ってないですからね。本当にただ答える。描き手が牛丼を描こうとしますが、どんぶりはともかくその中身までは中々描写できません。「丼!」「ご飯!」「食事!」とか、思いつくこと連想してくことをどんどん叫ぶ解答者。丼だけじゃ分からないから、横に牛の頭を描いたあたりで、誰かが「牛丼!」と答えると、絵を描いている人が、Wii U
GamePadに表示されている「正解ボタン」を押します。
ピンポーンと音が鳴って、正解がテレビに表示。「今正解言った人だれー?」みたいな感じで、正解を答えた人を確認して、描き手が、Wii U GamePadで正解者を入力します。正解した人に1ポイント、絵を描いた人に1ポイント入っていく仕組みです。
制限時間がありますので、なるべく早く特徴を捉えた絵を描いて、どんどん正解してもらうと、ポイントが入っていきます。解答者側は、最初に正解を答えた人にポイントが入りますので、どんどん答えていきます。お手つきはなしです。
制限時間が終わったところで描き手を交代していき、5人全員が描き手を終えたところで、たくさんポイントを獲得した人の勝利です。
見てると参加したくなっちゃう
ゲームルームでは、据え置きハードを遊ぶ時はプロジェクター・スクリーンを使って、デッカイ画面で遊びます。そうすると、プレイしていない人もなんとなく周りで見ているんですよ。見てると、この「スケッチ」というゲームはつい参加したくなっちゃうんです。答えを言いたくなっちゃう、どうしても。
じゃあ、いっそやってみるかと、その場で遊びたそうにしている人全員で。それが15人居たわけですよ。
3人1組でグループになって、5チームを編成しました。3人×5チームでちょうど15人。Wii U GamePadを使って絵を描くチームは、1つのお題が終わるごとにコントローラーを渡して3人が順番に描いていきます。答える方は残り全員、つまり12人がスクリーンに描かれていく絵を見て、ワーワーと答えて、最初に正解を言った人のいるチームにポイントをつけていきます。
描けても、描けなくても、当たっても、はずれても、結局面白い
まずあの、すごく絵の上手い人がいますよね、それが盛り上がります。お題の中にもカンタンなのと難しいのがありまして、例えば「手」とかだったらすごくカンタンなわけですよ、5本指かけば大体答えてもらえます。でも「空母」なんて言われると、どうすんだこれ、となります。タッチペンで、黒一色、線の太さも濃さも一定ですからね、普通に絵を書くよりも難易度は高めです。
でも、それをシルエットだけで上手に描く人がいるんですよ。とはいえ、空母なんて、ほとんどの人の頭の中に無いですから、シルエットが上手いだけでは気づきません。そこも、やっぱり今度は解答者として勘が良い人がいるんです。「空母!」と答えて、ピンポーンとなると、みんながそこで気がついて「ああぁ~」となります。そして自然と起こる拍手。
そうかと思うと、全然描けないことも当然あります。ちょんまげのオッサンが描かれてて、「サムライ!」「武士!」「江戸!」とか色々言うんですが、当たらず、仕方がなくパス(パスするとペナルティとして制限時間が減ります)。パスしたということで、お題が何だったのか画面に表示されるんですが、それが「織田信長」。「描けるかぁっ!」と悔し紛れのツッコミが入ると、全員ゲラゲラと笑います。
似たようなので「フランシスコザビエル」というのもありましたが、この時はカッパとザビエルの分かりやすいかき分け方について真剣な議論が発生しました。キュウリか十字架を描くべきだ、みたいな。
全部面白くなる空間
もう、熱気がすごいですよね。15人もが一緒に遊んでて、みんなスクリーンを凝視して、次々に思いつくことを言う感じ、テレビで観る築地の市場みたいになります。色んな人が色んな題材の絵を描きますし、基本急いでますから、なんか変な絵になっちゃって笑いが起こることもありますし、手際よくポイントを掴んだ絵に感心することもあります。
場の共有感がすごくて、客観的にはたいしたことの無い話が、その空間でだけ、何倍も面白くなってとにかく笑っちゃうという。5人でも十分その効果はあるんですが、15人で遊ぶと爆発力がスゴイです。
中学や高校の、修学旅行とか、林間学校とか、そういうのを思い出しました。
口で言えばいいじゃん、って決めた人がスゴイ
このゲームやっててスゴイなと思うのは、正解を口で言うところですよ。だからこそ、15人で遊べちゃったんですけど。
これ、コントローラー持たせて処理しようとしたら、すごく面倒なことになるか、中途半端なことになります。文字入力とか、選択式とか。それが、口で言って、人間が正解を判断すると、画期的にスピーディーで、しかも圧倒的に柔軟な対応が可能になります。
絵を描いて口で言うんじゃ、紙とえんぴつあればできない? と思うかもしれません。当然できます、できますとも! 代々木ゲームルームに来ている人とやったら、実際面白いと思います。でも、やらないです。絵が好きな人が集まっているならともかく、普通はそんなことして遊びません。お膳立てをしてくれて、得点つける係とか、お題を出す係とかをゲームがしてくれるので、やってみようとなるわけです。
結局、ゲームの価値はゲーム体験にあるので、冷静に考えれば紙とペンでできるかもしれませんが、遊んだみんなは「ゲーム&ワリオ面白いねーっ」と言って帰ります。なかなか興味深いところですね。
ユーザーがコンテンツを作る場を提供するゲーム
ゲーム&ワリオには、他にも色んなゲームがあるので、全部がそうじゃないんですけど、「スケッチ」に関しては、場作りのゲームなんですよね。
コンテンツは収録されてなくて、ユーザーがコンテンツを生み出す仕組みになっています。しかもそれが、コンピューターゲームであるのにもかかわらず極めてアナログな方法を取り入れていた為に、15人であそぶこともできちゃったし、やってみたら色んなコンテンツが即興で生成されまくって盛り上がったんですね。
まぁ、なんともヘンテコリンと申しますか、いい意味でゲームらしさを壊しているというか、突き抜けてるゲームです。もっとも、15人で遊ぶなんて想定してはいないと思いますけどね。
さてさて、ここからちょっと宣伝です。ゲーム&ワリオを15人で遊んだ代々木ゲームルームというゲームサロンなんですが、4月5日(金)にPSVita用ソフトのソウル・サクリファイスのゲームイベントを行います。
なんと、SCEやcomcept、マーベラスAQLのソウル・サクリファイス開発チームの方々が来てくださって、みんなで一緒に共闘して遊ぼう、というものでございます。ゲームルームは、みんなでゲームを遊ぶ場所ですから、普通のイベントよりもグッと近い形で、ユーザーと開発者が遊べる場になればいいなと思っております。
詳しくは公式サイトをご覧頂きまして、ソウル・サクリファイスユーザーの方はぜひ、ふるってご参加ください。
【関連サイト】
毎週金曜夜19:00より、ワイプ代々木北口駅前店にて、みんなでゲームを持ち寄って遊べるゲームサロン的場所「代々木ゲームルーム」やってます。詳しくはこちら。
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